いじめの訴え 小学校担任「仲たがい」と中学に引き継がず 大分女子生徒自殺未遂

いじめの訴え 小学校担任「仲たがい」と中学に引き継がず 大分女子生徒自殺未遂
毎日新聞 2020/11/7(土) 11:09配信

 大分市の中学2年の女子生徒が、小学校時代から学校にいじめの被害を訴え続け、2019年に自殺未遂を繰り返した問題で、弁護士や医師でつくる第三者調査委員会は、いじめと自殺未遂の因果関係を認定し、学校の担任や管理職、市教委が適切で迅速な措置を執らず対応が不十分だった批判した。6日、市教委が調査委の報告書を公表した。

 調査委によると、生徒は小学6年の時に同級生からいじめを受け、中学進学後の19年5月ごろから不登校になり、11月と12月の2回にわたり自殺を図った。

 調査委は小学6年の担任や中学の担任や管理職、市教委を聴取。その結果、小学校のベテランの担任が、自己判断で仲たがいと認識し、加害、被害の生徒に十分な聴取をしていなかった。中学への引き継ぎをしなかったと問題を指摘した。

 また、中学校では校長が「いじめは小学校時代で中学校は関係ない」として、迅速な対応を取らず、被害生徒や保護者の話に耳を傾けずに落ち度があったとした。

 市教委についても、7月に学校からいじめの報告を受けながら、すぐにするべきだった、いじめ防止対策推進法で規定する「重大事態」の認定が遅れたと非難した。

 その上で「どの機関も、組織として早急に問題解決に当たろうとしなかった姿勢を反省すべきだ」と批判した。

 市教委学校教育課の野田秀一課長は「教育委員会と学校の不十分な対応で、生徒と保護者に多大な心痛をかけた。申し訳ない」と陳謝した。【石井尚】

 ◇調査委が認定したいじめ

・バカ、アホ、死ね、などと悪口をいわれた

・手でたたいたり、足で蹴ったり身体的な暴力があった

・セロハンテープに悪口を書いて机に貼った

・体育で運動神経がない趣旨の言動をした

・上靴や文房具を隠し、文房具を壊した

・階段の途中で突いたり、押したりした

 ◆相談窓口

 ◇児童相談所全国共通ダイヤル

 189=年中無休、24時間

 ◇24時間子供SOSダイヤル

 0120-0-78310(なやみ言おう)=年中無休、24時間

 ◇チャイルドライン

 0120-99-7777=月〜土曜日の午後4〜9時(18歳まで)

 ◇子どもの人権110番

 0120-007-110=平日午前8時半〜午後5時15分

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする